
TOPICS
- チェーンの寿命判別方法
- チェーンの清掃方法いろいろ
- チェーン清掃方法例
- チェーンってそこまできれいにする必要あるの?
- チェーンクリーナーの使い方例
- シルテックのチェーンは使えるの?
- 気になったので、中性洗剤でもテスト
- まとめ
チェーンの寿命判別方法
最近、坂を自転車で登っていると、チェーンが一回転する度に、「コクッ」「コクッ」という音と振動が発生するようになりました。
わずかな音と振動ですが、気になりだしたらすごく不快です。
変速などは特に問題ないのですが、そういえば2年以上交換していないことを思い出しました。
メーターも付けていないため、何キロ走ったかも定かではないのですが、経験上、不具合が多少なりとも顕在化してからの交換はあまり良いことはありません。
というのも、チェーンが摩耗してしまうと、チェーンホイールやスプロケットとの隙間も大きくなるため、漕ぐ度に削っていくという状態になります。
しっかりとオイルを注していればまだマシですが、サビサビだったらあっという間!
いざ新品のチェーンに交換したら、なぜかギアがかからない・・・。
もうこうなったらチェーンホイールやスプロケット交換が必要で、チェーン以上の金額がかかってきます。
多段に、そして軽量になるほどチェーンに対しての負荷も大きくなるため、よりチェーンの交換時期とメンテナンスはシビアになるべきです。
チェーンの寿命は、負荷のかけ方やメンテナンスの状況にもよるため一概には言えないのですが、一般的には3000-4000kmごとの交換が望ましいです。
寿命の判断方法としては、チェーンホイール付近でチェーンを持ち上げて、チェーンホイールのギア先端が見える程持ち上げられたら寿命、などありますが、あくまで目安なため、そこは計測ツールを使って客観的に判断するべきです。
あくまで目安で、器具を使って計測しましょう。
計測ツールと言っても、金属の板です・・・
左はOK、右はNG。
高額なデジタルチェッカーもありますが、相当シビアにチェーン寿命を見極める以外は、安いものでもとりあえずはいいと思っています。
むしろ、寿命を意識することこそ重要と考えます。

チェーンの清掃方法いろいろ
自動車用のパーツクリーナーを吹きかけて、適当なチェーンオイルやスプレーを吹きかけていませんか?
これではタイヤやブレーキシューなどのオイルが付いてはいけないゴム製品に脱脂した油が飛び散ってしまいます。その後、適当にスプレーしようものなら、さらに飛び散り、ほこりやゴミなどを寄せ付けてしまいます。
チェーンの清掃方法はいろいろありますが、私がやったことある方法はパーツクリーナーを使ってウェスで拭く、灯油を使う、ペットボトルに入れて振る・・・etc
ただどれもチェーンクリーナーを使うのと比較して時間やら手間で霞んでしまいます。
やはり、チェーンを清掃する専用クリーナー(チェーンガラガラ)を一度は使って欲しいです。

チェーン清掃方法例
1.パーツクリーナー(ブレーキクリーナー)を吹きかける
私は以前は、パーツクリーナーを適当に吹きかけ、手で1ピン1ピンウェスで拭き取っていましたが、どうしてもチェーンのプレート内側まできれいにできません。
また、吹きかけた後のチェーンのざらざら感は、表面上は綺麗になったような気がしても、実際には表面だけ感はぬぐえません・・・。
2.灯油に漬けて洗う
昔ながらの灯油などを利用する方法もあり、私もやったことがありますが、ポリタンクから必要な量だけの灯油をこぼさないように抜き取り、漬けてもみ洗い、またはブラシ洗浄し、その後は紙に吸わせるなどして処分する。
手についたら匂いが取れづらく、地面にこぼしてしまうこともあり・・・私は効果の割には処理が手間だと感じました。
3.ペットボトルにクリーナーと一緒に入れて振る
結構いいです。
ペットボトルにクリーナーを入れます。
クリーナーは、ダートウォッシュシトラスディグリーザーです。
薄めず、原液で使用しています。

チェーンを入れて蓋をして振る!
およそ2分位は振ったでしょうか。
使用したチェーンは、ウェスで表面を拭いたことはあれど、一度もチェーンクリーナーで清掃をしたことがないものです。
チェーンが見えない程真っ黒に!これは期待です。
クリーナーは古いウェスや新聞紙などに滲みこませて、2-3回水で洗います。
ペットボトルを切らないと取り出せませんでした。
砂や異物のジャリジャリ感はなく、パッと見綺麗です。パーツクリーナーで清掃したものより汚れはとれている感じです。
ですが、、
やはりリンクの内側が・・・。
悪くはないですが、同じ時間をかけるならチェーンクリーナーの方がいいですね。
しかもチェーンをカットしないといけない・・・私はコネクトリンク利用なので、手軽に外せました。
今回ペットボトルを使用しましたが、入れるのはいいのですが、出すときはペットボトルを切らいないといけないのも面倒でした。
チェーンってそこまできれいにする必要あるの?
っと、そもそもの疑問、チェーンをそんなにきれいにする必要はあるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私としてはオオアリで、定期的にケミカルを塗るだけ塗って、後は放置というような使い方だと、スプロケットやリアディレーラーのプーリーにホコリや砂、ケミカルのカスが貯まり、どんどん伝達効率も悪くなってしまうのです。
また、ちょっとチェーンに触れてしまおうものなら、落ちにくい汚れがベッタリ・・・。 服なら絶望的です。
清掃前と清掃後でクランクを逆回転してみるとよくわかるのですが、やはり抵抗が段違いです。
仮に、1分間で60回転なら、1時間で3600回転も回している訳です。(厳密にはそんなことはありまえんが、2時間も乗ればそれ位回しているでしょう。)
1回転あたり、数キロワットのロスが積で増えていくわけです。レースだったら、その差が数センチでも前に出るのに使えるかもしれません。
ただ、チェーンクリーナーの使い方はよくわからんという方に、手順を追ってご説明します。(あくまで一つの手順です。)
一度でも使うと、その効果にびっくりされるかと思います。
チェーンクリーナーの使い方例
1.セッティング
メンテナンススタンドに自転車をかけ、ギアをトップから2から3段ロー側にセッティングし、クランクを逆回転させてもスムーズに回るようにします。
リムやタイヤにケミカルがかからないように、新聞紙やダンボールで養生します。
2.クリーナーを入れる
クリーナーを入れて、チェーンに挟み込んで蓋をして、あとはクランクを逆回転させるだけ。
できるだけリアディレーラー付近で手に持ち、回した方が楽です。
クリーナーは、先ほどと同じようにダートウォッシュシトラスディグリーザーです。
半分程度水で薄めて使用しています。チェーンの汚れ具合に応じて調整してください。
3.洗浄(クリーナー)
汚れの量にもよりますが、およそ1-2分、液が飛び散らない位の速さで回します
4.洗浄(水)
その後、クリーナーは紙などに吸わせて処分し、水を入れてあふれさせるようにしてクリーナーを洗い流します。
5.乾燥
この手順非常に大事です。
よく、水やクリーナーの洗浄後、そのままウェス等で拭きとって注油を開始してしまうケースがありますが、それはとても危険なことです。
クリーナーはしっかり洗い流さないと、これから注すケミカルが機能する前に分解されてしまい、意味を成しません。
チェーンのプレートやリンクが削れて、最悪は破断などしてしまうケースもあるのです。
水で洗浄後は拭き取り、しっかりと1から2時間は乾燥させます。
ピカピカです。
6.注油
注油は、しっかり乾燥させた後に1ピンずつ行い、プレートなどに付いた、余分なケミカルを拭き取ります。
注油後もすぐに走り出すのではなく、1から2時間、できれば一晩くらいは放置して馴染ませるのが理想です。
シルテックのチェーンは使えるの?
その注油中に、ちょっとした疑問が。
今回クリーナーを使用したのは、普段街乗り用に使用している自転車なのでいいのですが、私がロードバイクに使っているチェーンは、シマノのSILTEC(シルテック)というチェーンです。
シルテック(SIL-TEC)とは、一言でシマノが提供する最新の超低摩擦表面処理です。
フッ素による表面処理をすることにより、フリクションの低減、様々な々なコンディションでも汚れなどを寄せ付けず、最小のメンテナンスで長く性能維持できるよう表面処理されています。
具体的には通常のメッキチェーンと比べて
・滑らかなペダリング
スライド回転摩擦 -60%
走行中のノイズ -2.7dB
・簡単、ローメンテナンス
泥はけ性能 +30%
・さらに耐久性向上
耐摩耗性 +20%
と、劇的進化ですね。
このシルテック、ローメンテナンスなのはうれしいのですが、ひとつ注意があって、
「メンテナンスの頻度は、ライディングの状況により異なります。チェーンを適切なチェーンクリーナーで定期的に洗浄してください。錆び落としなどのアルカリ性、あるいは酸性の洗浄液は決して使用しないでください。これらを使用するとチェーンが破損し、重傷を負うおそれがあります。」
と、しれっと大事なことが書いてあります。
困った・・・普段PH(ペーハー,ピーエッチ)なんて意識してチェーンクリーナーを選んでいません。。
シマノさん的には、もちろんユーザーが様々な使い方をすることを想定して製品を作っているので、ある程度は想定外の使い方、力が加わった場合でも許容できる設計としているはずですが、結構強い口調なのでこれは守った方がよさそうです。
私が使用しているクリーナーはウェルドタイトのダートウォッシュシトラスディグリーザー。
気になったので、急遽万能PH試験紙(リトマス試験紙)を買って測ってみました。
果たしてシルテックチェーンの洗浄はできるのか?
PHは「6」。
消費者庁の家庭用品品質表示法、液性ではこう定義されています。
水素イオン濃度(pH)が8.0以下6.0以上のものに限り「中性」と表示し、11.0以下8.0を超えるものを「弱アルカリ性」、11.0を超えるものを「アルカリ性」、6.0未満3.0以上のものを「弱酸性」、3.0未満のものを「酸性」と表示する。
消費者庁より引用しました
液性としては「中性」です。
シマノ様は特定のクリーナーを指定していないので難しいところではあるのですが、私は使用していきたいと思います。
気になったので、中性洗剤でもテスト
その後、中性洗剤と言えば、台所用洗剤でしょう!ということで、これはお湯に溶かして使用してみました。
感想は中性洗剤にもよりますが、思いのほか落ちる印象。
ただ、泡立ちすぎて何度も洗わないといけないのと、汚れの落ち具合としてはやはり専用クリーナの方が上と言う印象です。
元々上で清掃して2週間位しか経っておらず、そこそこ綺麗な状態から始めたのですが、思いのほか効果は高かったです。
油汚れにはJ○○ですね。
何度も書きますが、中性洗剤で泡がついたままウェス等で拭いて、乾かない内に注油は危険です。
洗剤を使う場合は、きちんと泡が出なくなるまでは水で洗い流してください。
チェーンがきれいでも、ディレイラーのプーリーに汚れが堆積している場合もあるので、併せて拭き取ってください。
まとめ
どうしても安価に済ませたい場合は台所用洗剤でもいいのかもしれませんが、サイクリストならチェーンクリーナーと専用クリーナーをセットで持っておいていただきたいです。まだという方は、一度でもいいのでお試しいただければ、その効果にびっくりするかと思います。
毎回チェーンクリーナーを使うのは面倒なら、普段はウェス等で汚れを拭き、注油をする。チェーンクリーナーは2~3か月に一度というのでもいいと思います。
要は、何もせずに放置しておくことが問題です。
ロードバイクに乗る方は、1週間に一度位はタイヤの空気圧を見るはずです。(よね?)
タイヤの空気圧と同じような頻度でチェーンにも気を配り、快適なサイクルライフをお送りください。
TEXT:toby