1か月の間が空いてしまいましたが、ちゃーんとプロジェクトは進行しておりました。今回は前回同様、大阪にあるサイクルベースあさひ本社にてミーティング。出来上がった試作を皆で見て、乗って、話して、笑って。やるからには細かな部分までとことん拘ろう、という気迫たっぷりなおじさんたちのディスカッションのはじまりはじまり~。

どーよ!この堅牢なスタイリング!!

90年代のマウンテンバイクにつけられていたブルムースバーと呼ばれるものに近いアーチ状のハンドル。荷重を考え制動性の高いディスクブレーキ、全長が長いためリアスタンドではなくセンタースタンドを採用。フロントのタイヤ幅は駐輪等も考慮して一般的なサイズにし、リアは乗り心地を優先するためにファットタイヤを履く、というのがディテール上のポイント。でも、我々が太鼓判を押すのはやっぱり全体のスタイリングなのです。

チムチム鈴木
おーっ!カッコ良い!
あさひ熊野
出来上がってきた時、我々もコレは凄いものが出来たぞ、と思ってしまいましたね……。
編集部
リアをファットにしたことのネガティブな部分ってありそうですか?
あさひ梁
特にないですね。普通と同じ感覚で乗りこなせます。
あさひ賀畠
販売する際はオプションとしてリアのキャリアに載せるカゴを用意する予定です。
編集部
はじめからカゴがついていると汎用性が低くなってしまいますからね。お子さんを載せたい方、荷物を載せたい方、どちらにも対応できるよう、カゴを後付にするというのはアリだと思います。
あさひ野田
何はともあれ外に出て乗ってみましょうよ。

〜外に移動。まずはチムチム鈴木さんが試乗〜

鈴木
ハンドルがクイックで良いですね!パイプの剛性がとにかく凄い。ほらっ(フレームをグイグイ踏んでる……)全然たわまないでしょ!
編集部
ハタから見るとちょっと変わったデザインの自転車に乗ってる感が相当ありますね。
鈴木
でも乗ってみるとそのイメージが良い意味で崩れるんですよね。ロングテールの自転車ってハンドルの動きに対してリアのタイヤがついてこないようなイメージがあるんですが、これは追従性が低いという感覚が全くないです。
跨いだ感じはいかがですか?
鈴木
余裕ですね。これだったら足を蹴り上げて乗ることもない。
編集部
酒屋さんとか新聞屋さんとか、88サイクルは一応お父さんのモノっていう体だけど、耐荷重性、キャリアの長さを生かせば多様な使い方が考えられそうですよね。

〜ミーティングスペースに戻る〜

編集部
今日決めなくちゃいけないことを改めて確認しましょうか。
賀畠
まずは皆さんに乗って頂いてから問題点を洗い出そうと思ってました。
鈴木
個人的な希望なんですが、88サイクルは日常で使える自転車であるべきだと思うので、やはり泥除けは必要かな、と思うんですが……。
野田
確かに。でも、例えばスポーツタイプの自転車は基本的に泥除けがついていないですよね。88サイクルはもちろん日常使いも大切だけれども、自転車に乗る楽しみをスポーツタイプの自転車とは違う形で提案したいと思うので泥除けは要らないかなと。
編集部
単純に泥除けがない方がカッコ良いし、オフロード車に近しいコンセプトだからちょっと我慢してよっていうのはありますよね。雨の日に自転車に乗った時点で、ビチャビチャになっちゃうわけだし。
一同
(笑)
熊野
僕もかなり迷ったんですが、コンセプトとスタイルを重視したいっていうところもありますね。
編集部
でも、子供のことはきちんと考えなくちゃいけないですよね。ただ、それってキャリアの上にカバーをしてあげれば済むわけだし、そのくらいはカスタムで補えるのかなと。今度、雨の日乗ってみてテストしてみましょうよ。
一同
(笑)
鈴木
そうですね。そこから改めて考えてみたいです。
賀畠
大きな問題点はチェーンの暴れです。普通の自転車の約1.5倍の長さがあるので、暴れてフレームに当たってしまうんですよ。そこはカバーをするなりして工夫をします。
熊野
あとはハンドルがやや低いという意見があったのでそこを調整するのと、ペダルのデザインの再考といった感じです。
賀畠
あと、子乗せ推奨ということを考えると、ディスクブレーキの穴が危険なので、穴がないものを新たに作ろうと思っています。
鈴木
確かにそうですね。我々の業界でも作業中にケガをしている人間が何人かいるので……。念のためパーキングロックもつけておけば万が一子供が手を入れたりしても安心できるかもしれません。
賀畠
そうですね。出来る限りのことは考えたいと思います。

クーラーボックスを載せて
釣りに行く事も出きますね

スケボーキャリアとか
載せても良いかもね

クーラーボックスを載せて釣りに行く事も出来ますね! スケボーキャリアとか載せてもいいかもね

次の課題はカラーリング

編集部
あとは色ですよ!次のサンプルで色を変えませんか?今は濃いグリーンですけど、もう少しポップな色でも良いかもしれないし、例えば、このグリーンを元に陸海空の軍隊カラーで作ってみるとか。
野田
そうですね。僕としては次はコヨーテ(サンドベージュ)のような色に塗ろうと思っていたんですよ。
鈴木
なるほど、カッコ良さそうですね。
無難に黒っていうのも捨て難いんですよね……。
熊野
スタイリングのインパクトが大きいからカラーリングで奇をてらい過ぎるとね……。
賀畠
買った人が好きなように色を変えてもらえるよう、ベースはシンプルな色の方が良いかも。でも、一目見ただけで世界観を知ってもらうためには印象的な色の方が良いかもしれないし……う~ん。
とりあえずカラーチャートもってきてボディにあててみましょう。

(色々なカラーチャートをひたすら当ててみる……)

あさひ一同
うーん良い。あーそれも良いなあ。こっちは?うん、これも良い。
編集部
良い良いってそれじゃあキリがないですよ(笑)。改めてコンセプトを振り返ってみて、もう決定しちゃいましょう。まあ次も試作ですし、気楽に気楽に。
というわけで、試作の第二弾ではどんな色になってるんでしょうか。乞うご期待!

細部の詰め、色の検討……
パパチャリ完成間近!!

出来上がった88サイクルの試作と共に皆で記念撮影。ここからがいよいよ正念場!でも、皆で楽しくがモットーの88サイクル制作チームなのです。

03
デイトナ290号に掲載

第三回会議はサイクルベースあさひ本社にて

AT サイクルベースあさひ
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