【MiNERVA-asahi】第3回おんたけタイムトライアル&ヒルクライム

2025.05.22

長野県木曽郡王滝村で開催されたタイムトライアルとロードレース

前週の長野県木曽郡木祖村で行われたタイムトライアルとロードレースに引き続き、5月17日(土)に長野県木曽郡王滝村の御岳湖南岸特設コースで「JBCF第3回おんたけタイムトライアル」と、翌18日(日)に同じく御岳湖南岸の松原スポーツセンター公園付近をスタートし御嶽山の田ノ原をゴールとした「JBCF第3回おんたけヒルクライム」が開催され、あさひ公式レーシングチームMiNERVA-asahiの選手も参戦しました。

※自転車レース特有のルールや用語はこちらでご説明しています。

きらら浜と木祖村で行われたレースに引き続き、個人タイムトライアル3連戦の3戦目となるレース。

レース距離も16kmと非常に長く、コース途中には1か所大きな上りが設定されており、それ以外は比較的フラットなコースレイアウトでハイスピードなタイムトライアルレースとなります。

2日目のヒルクライムは総距離24km(パレード区間約5kmを含む)、獲得標高1,290m、最大勾配7.9%のコース設定となっており、御嶽スキー場内を走るつづら折れのコースは上を見あげると、その先のコースが一望でき体力的にも精神的にも非常に厳しいコースとなっています。

<<コースマップ>>

出典:「JBCF第3回おんたけタイムトライアル・テクニカルガイド」より

 

<<コースマップ>>

出典:「JBCF第3回おんたけヒルクライム・テクニカルガイド」より

 

今回のレースに参戦した選手は下記となります。

JBCF第3回おんたけタイムトライアル

<<E1>>16km
川勝選手【八尾南店勤務】
小林(毅)選手【調布店勤務】
中村選手【本社勤務】

<<M>>16km
大島選手【北岡崎店勤務】

JBCF第3回おんたけヒルクライム

<<E1>>24km
川勝選手【八尾南店勤務】
常富選手【岐阜市橋店勤務】
能戸選手【浜松幸店勤務】

<<E2>>24km
藤井選手【大蔵谷店勤務】

<<E3>>24km
土井選手【横浜池辺町店勤務】
三浦選手【清水草薙店勤務】

<<M>>24km
大島選手【北岡崎店勤務】

 

【リザルト】

<<タイムトライアル>>
小林(毅)選手【E1】=6位
川勝選手【E1】=7位
中村選手【E1】=8位
大島選手【M】=5位

<<ヒルクライム>>
川勝選手【E1】=5位
能戸選手【E1】=7位
常富選手【E1】=19位
藤井選手【E2】=13位
土井選手【E3】=4位
三浦選手【E3】=20位
大島選手【M】=1位

今回、MiNERVA-asahiから参戦した選手のレースレポートを、ぜひご覧ください。

川勝選手【八尾店勤務/E1】

・タイムトライアル

今回は上りも少なくテクニカルなコーナーも折り返しの180度ターンのみなので、脚力・空力勝負となります。

朝から雨が降り続き、気温も15℃くらいで寒く感じたので、試走はせずにローラー台でのアップに集中します。

ツアーリーダー・タイムトライアルリーダーの奥山選手【エキップ ホッカイドウ】が最終出走で、自分はその30秒前にスタートでした。

往路は10分48秒で折り返しとなり、速い選手でだいたい10分20秒とのことなので、それほどタイムは速くはなく。

慎重にUターンしたところで、30秒後に出走した奥山選手に追い抜かれ、この時点で30秒のビハインド。

抜かれてからはドラフティングが効かない程度の間隔を空けて、頑張ってついていきますが、上りで追いつきかけたが下りで離されてしまいます。

なんとか奥山選手と一定の秒差をキープしたかったのですが、徐々に離されてしまい、結果は7位となりました。

 

・ヒルクライム

今回のレースで2位もしくは条件次第では3位でフィニッシュできれば、ヒルクライムリーダージャージを獲得できるので、3位以内を目標にして、作戦は昨年の同レースの優勝者の成田選手【mkw】に頑張ってついていくのみ。

約5kmのパレード走行後にリアルスタートがきられ、序盤は淡々と進み、前から5番手ほどでレースを進め、とにかく温存したいのでローテーションには加わらず。

10分ほど経過したタイミングで成田選手がジワッとペースアップし、自分と奥田選手【Roppongi Express】が反応しますが、成田選手はそのままハイペースで独走体制となり、自分と奥田選手が2番手3番手に。

このまま山頂まで行きたかったのですが、それほど甘くはなく、ペースで追いついてくる選手数名にパスされ、3位フィニッシュがかなり厳しくなります。

5位6位争いとなった奥田選手とは離れては追いつきを繰り返し、ラスト500mの平坦区間で速度差をつけて追い抜き、ラスト300mの再び勾配があがるタイミングで腰をあげて奥田選手から数秒先行して、5位でフィニッシュとなりました。

小林(毅)選手【調布店勤務/E1】

・タイムトライアル

御岳湖の南側を往復するコースで、今年度2番目に長い16kmの個人タイムトライアル

コースは昨年までと同じくコーナーがほとんど無く、途中で一度上りを挟むレイアウトで、テクニックよりも脚力で勝負が決まるコースです。

昨年の同レースでは序盤に突っ込みすぎてしまい、後半で大きくタイムを落としてしまい、前週の木祖村TTでも同じような結果だったので、往路で抑えつつ復路で追いあげられるようなペース配分を特に意識して望みました。

オンタイムでスタートし、序盤はペースを抑えたことで心拍的にもかなり余裕があり、落ち着いて往路の上りをクリアします。

平坦区間ではDHポジションで走行しますが、それなりに余裕がある反面、思うようなパワーは出ず、目標タイムから約20秒遅れで折り返して復路に入ります。

復路でもペースを落とさず走ることができましたが、パワーで見ると予想よりかなり低くなってしまい、復路のタイムも思うように伸びず、1人後ろの選手に抜かされてしまいましたが、ギリギリの6位で入賞となりました。

能戸選手【浜松幸店勤務/E1】

・ヒルクライム

伊吹山ヒルクライムが悪天子により中止され、ヒルクライムランキング4位で迎えた今回のおんたけヒルクライム。

2位以上でヒルクライムリーダーとなれる可能性があるので、目標は高く持って出走しました。

リアルスタートから成田選手【mkw】がペースを作り、最初の最初なのでついていけますが、メーターに目を落とすと400wを超えることもあり、はっきりと自分にはオーバーペース。

成田選手が牽くのを止めるとペースは落ち着きますが、集団の先頭で牽くとあがります。

5km地点で成田選手の3回目の牽きがあり、それまでの牽きより強く感じる。

チームメイトの川勝選手と奥田選手【Roppongi Express】が反応していく中、2位を目指すなら絶対ついていかないといけないですが、30秒ほどで耐えきれずドロップ

千切れた後はレッドゾーンに入ってた心拍を落ち着かせるために一旦ペースを落とし、ここで12〜15位くらいにまで後退しましたが、まだ成田選手以外の先頭グループの背中は見えているので、それを目標にペースを刻み、糸川選手【soleil de lest】、小林選手【名岐ベンド】とパックで走行して、途中数名をパスしました。

最後の1キロ、自分はそこからペースをあげられたのでさらに2〜3名をパスして、残り300メートルからは順位を落とさないように、もがいて7位でゴールとなりました。

中村選手【本社勤務/E1】

・タイムトライアル

当日は土砂降りの雨で、ところどころに深い水たまりができているので、しっかりと試走をして危険な区間やウエット路面でのコーナーや下りを確認します。

機材をディスクブレーキ化したこともありタイヤが太くなったことで、ドライコンディションだった前年より不安なく走れる印象でした。

スタートは落ち着いて、一気に心拍を上げるのではなく少しずつギアを重くしてスピードを50km/hくらいまであげ、合わせて心拍もあげていきます。

ただ、思いの外スピードが落ちるのが早く、緩い下り区間で踏んでいても50km/hが維持できず、想定よりもが削れていきます。

折り返し地点に近づき、ここで前後の選手とのタイム差がだいたい分かりますが、前走の宮田選手【mkw】は自分より早い様子。

30秒後ろのヨノツ選手【LT United Cycling Team】とは、ほぼ同じか自分の方が少し早かったですが、それよりも1分後に出走した新藤選手【EQADS】が既にヨノツ選手を追い抜いているのが見えました。

復路の丘は事前に想定した通りの箇所までシッティングで踏み、スパートをかける部分をダンシングで上りますが、やはりペースがあがらず、下りの入り口で新藤選手に抜かれてしまいます。

そこからはドラフティングにならない様に、新藤選手のペースを参考に背中が見える程度で踏み続けますが、じわりじわりと離されていき、最後まで力一杯踏み込んでようやく見えたゴールに飛び込み8位とりました。

常富選手【岐阜市橋店勤務/E1】

・ヒルクライム

昨年の同レースではE2で5位に入賞したこともあり、長時間のヒルクライムは得意なので、E1に昇格した今年も良い成績を残したい。

同時に出走するチームメイトの川勝選手や能戸選手は、明らかに自分よりも実力があるので、この2人のパックについていくことを目標にレースがスタート。

リアルスタートから自分にとっては、かなりオーバーペースでレースが進みます。

このままだと前半でオールアウトしてしまう予感がしたので、開始早々3分くらいでペース走に切り替えて淡々と踏みながら、先頭からドロップしてくる選手をパスしていきます。

最後までペースを落とさないまま単独で走り切り、10人近くを抜いて19位でゴールとなりました。

藤井選手【大蔵谷店勤務/E2】

・ヒルクライム

約5キロのパレード走行が終わりリアルスタート後は、集団の前々で展開しながらレースが進み、4キロを消化した時点で先頭集団が10人ほどに絞られますが、そのあたりで島選手【mkw】の牽きについていくのが苦しくなり集団からドロップしてしまいました。

その後は、なんとかマイペースで追いかけようと試みましたがサイクリング程度のパワーも維持できなくなってしまい、中盤は他の選手とローテーションしながら走りますが、それにもついていけず、同カテゴリーの選手数人に抜かれ、トップから約10分遅れの13位でゴールとなりました。

土井選手【横浜池辺町店勤務/E3】

・ヒルクライム

初の実業団レースで、ややぎこちない部分はありつつもスタート前の準備を終え、最初のパレード区間の5kmも年度によっては警戒が必要だったこともあるようでしたが、ほぼアップ程度のペースで、ここも問題なくクリア。

そしていよいよリアルスタート位置に着きレースが開始。

レース開始直後からマークしていた選手は、ほぼ集団トップを形成しており、スタートから4km付近のあたりで小林選手【COWGUMMA】のアタックがかかり、それを皮切りに集団の分断が始まります。

6km付近過ぎには、先頭集団も6人程になっており、このままのパックから落ちなければ入賞圏内でした。

その先9km付近で、先頭集団から下川選手【EMU SPEED CLUB】と副地選手【OUTDOORLIFE Racing】が先行し、まだ先も長かったので、これは無理せずに見送ります。

その後は小林選手、茂呂選手【スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ】、関口選手【群馬県立渋川高等学校自転車競技部】、自分の4人で、落ちてきた上位カテゴリーの選手を抜かしつつ走行します。

14km地点で1人減った3人の集団からドロップしてしまい、その後はペースを保ちつつ上位カテゴリーの選手に混ざりつつ4位でゴールとなりました。

三浦選手【清水草薙店勤務/E3】

・ヒルクライム

リアルスタートから2~3km地点まではE3の集団で走行していましたが、以前から持っていた腹痛が発生してしまい集団からドロップしてしまいました。

高所スタートのヒルクライムのため体が順応しなかったのか、単純な腹痛かは分かりませんが、全く踏めない状態が続き、まともに走れないので回復に専念するように一定のペースで走り続けます。

残り10km程で腹痛は収まりましたが、その時点でカテゴリーのほぼ最下位となり、前を追いかけて10人程パスしますが上位勢に追いつけるはずもなく、20位でゴールとなりました。

大島選手【北岡崎店勤務/M】

・タイムトライアル

昨年の同レースのタイムを見ると入賞がギリギリ狙えそう。

雨も強く降っていたので試走は無しで一発勝負にかけます。

スタートから極力ブラケットエアロポジションを意識して、FTP付近かつ心拍があがりきらないようにペーシングしていきました。

途中でサイクルコンピューターがGPSを拾っておらず速度が表示さなくなり、今回はフォームを意識してスピードを落とさない作戦でしたが、速度がわからないのでパワーコントロールとエアロポジションの維持に努めます。

直角カーブと折り返しターンは安全を重視し、2カ所の上りは下ハンに持ち替えてパワーの絞り出しとバイクコントロールに集中して走りました。

前走者3人全てを抜くつもりでしたが1人は差しきれず(抜けなかった人が優勝)ゴールとなりました。

 

タイムは昨年と1秒差と今回の悪条件を考えれば上出来で、ノーマルロードでの参加者ではカテゴリー内でトップタイムでした。

 

・ヒルクライム

リアルスタート直後に杉浦選手【mkw】がペースを作っていったので着いていきます。

その後近江選手【チームスカイ キョウト】が抜けだし、かなり良いペースだったので着いて行くのは危ないと判断して集団にステイし、しばらくすると杉浦選手がペースをあげて捕まえに行ったので番手に着いてキャッチしにいきます。

その後はしばらく集団で走ると6人位まで集団が絞られ、15分経過頃に冨田選手【チームスカイ キョウト】が抜けだし、集団は容認して数十メートル先行する形となり、集団は杉浦選手、丸渕選手【FAST LANE Racing】、自分の3人まで小さくなっていました。

とにかくペースで心拍の限界90%前後を維持して走っていると杉浦選手、その後に丸渕選手もドロップし、20分経過時点で前を走る冨田選手と、自分の一騎打ちの状態に。

まだ残り2/3ある状況で無理に追いついて千切り合いでを削ると、後続に追いつかれる可能性があがるので目視できる範囲に冨田選手をとらえつつ、ひたすら耐えます。

ゲレンデ区間に入り勾配が厳しくなり、少し離された時に、折つづら折れで見えなくなることがあり、心が折れかけましたが、冨田選手もきついのか絶望的な差には広がりませんでした。

残り3キロあたりで「今日も2位か…」と少し弱気になってしまいましたが、残り1キロ看板を過ぎて冨田選手との距離が縮まっているのに気が付き、残り500mまでこのペースで行けばチャンスが有るかもと思える状況になりました。

そして残り500m看板からペースアップをし、残り300mでキャッチしてそのままスプリントし、最後は気合いのプランで腹を決めます。

予定通り冨田選手をラスト300mでキャッチし、ハンドルの下部に持ち替えてスプリントを開始します。

5〜10秒して振り返ると冨田選手は競ってはきていないのが確認でき、残りはスカスカ状態ので踏み続けて右手を握りしめゴールしました。

まさかヒルクライムで優勝できるとは思っていませんでしたが、展開に助けられたものの、諦めず耐え続け最後はプラン通りに動き、勝ち切ることができました。

次のレースはJBCF第4回弥彦ロードレース

次のレースは6月1日(日)に新潟県弥彦村の上泉―井田特設周回コースで開催される「JBCF第4回弥彦ロードレース」に、MiNERVA-asahiの選手たちも参加を予定しています。

一般公道を使ったロードレースになり、途中に設けられた広い田畑の中を通る長い直線は、左右に風を遮るものがないため横風が吹けば集団が分断してしまう可能性もあり、その日の天候にも大きく影響を受けるコースになっています。

長い直線を抜けた先は細かなアップダウンが続き、直線で脚を使った後にアップダウン区間に入り、その後も往路の直線で脚が削られた上に最後にコントロールラインに向けて上っていくという、休みどころのないコース。

また例年、春明けの急に気温が高くなる時期に開催されるため、暑さへの対応も必要となります。

今後もMiNERVA-asahiは更なる高みを目指して全力でペダルを漕いでいきますので、引き続き皆様からの応援・ご声援をよろしくお願いいたします。

過去のMiNERVA-asahiのレースレポートはコチラをご覧ください。