【MiNERVA-asahi】JBCF きらら浜タイムトライアル/クリテリウムレースレポート

2022.05.06

「第6回 JBCFきらら浜タイムトライアル」「第12回 JBCFきらら浜クリテリウム」

4月30日(土)〜5月1日(日)に山口県山口市の山口きらら博記念公園・北駐車場内特設コースで開催された「第6回 JBCFきらら浜タイムトライアル」と「第12回 JBCFきらら浜クリテリウム」に、あさひ公式レーシングチーム「MiNERVA-asahi」の選手が参戦しました。

※自転車レース特有のルールや用語はこちらでご説明しています。

今回のレースは1日目に全長2.3kmのコースを1人ずつ走り、誰が最も速いタイムでゴールを通過できるかを競う個人タイムトライアルが行われ、2日目はタイムトライアルと同じ2.3kmのコースを周回するクリテリウムが開催されました。どちらも平坦基調なコースですがタイムトライアルは各選手の脚力が勝負のカギとなり、クリテリウムはコーナーとストレートが組み合わさった、常にインターバルのかかるコース設定の為、減速とダッシュが繰り返され脚力に加えて集団内での位置取りなどのテクニックも必要とされる難しいレースとなります。

出典:JBCF「第6回きらら浜タイムトライアル」「第12回きらら浜クリテリウム」テクニカルガイドより

<<タイムトライアル>>
2.3km×2周=4.6km(全クラスタ共通)

<<クリテリウム>>
2.3km×15周=34.5km(E1クラスタ)
2.3km×10周=23.0km(E2クラスタ)

今回のレースに参戦した選手は下記となります。

・E1クラスタ
佐藤選手【灘徳井店】、中村選手【本社

・E2クラスタ
堀井選手【池田店

今回、MiNERVA-asahiから参戦した、それぞれの選手のレースレポートを、ぜひご覧ください。

佐藤選手【E1/灘徳井店】

<<リザルト>> タイムトライアル=18位、クリテリウム=2位

タイムトライアル

今回は変えたばかりの新しいバイクでレースデビューとなりました。

正直、まだまだ乗り方を掴みきれてないですが、カーブが多い割にコース幅が広いのと、攻めたコーナーがない為、ここなら大丈夫だろうと導入することにしました。

2年前の入賞タイムが平均速度45km/hで3分ほど。この時は1周のみだったので、2周回となった今年は平均速度が43〜44km/h位をキープして走ることができれば入賞できると予想していました。

短距離タイプの脚質の為、1分以上は強く無いが、10分パワーの過去最高が341w(4.67w/kg)なので、調子は落としていますが、2周回するあいだの6分なら行けるんじゃないか⁉︎と、この数字を目標に走ります。

後は30秒後でスタートするチームメイトの中村選手に、追い付かれない事も目標。

パワーを一定にする為、踏みすぎない様スタート。

試走では足を止めるカーブはありませんでしたが、本番では風が強まって第1コーナーは減速を必要としました。

慣れてないバイクなので、あまり倒せこめません。向かい風、追い風関係なく一定のパワーで踏んでゴールを目指します。

平均速度は41〜42 km/hぐらいで推移。目標値に届かないので焦りますが、後半に垂れないよう自制します。心拍数は180台。190台に入ってしまうと2分ももちませんが、180台ならギリギリゴールまでもつペース。いい感じだがパワーは320w台。もう少し踏みたい。

2周目に入りキツイが垂れない。ペーシングは上手くいっています。

後半に向かって徐々に上げていきます。最終コーナーを抜けて追い風なのでエアロフォームは無視してフルスプリント

ハンドルを投げてゴール。

TTは実力が正直に出るので、半分より上なら上出来でしょう。でも、チームメイトの中村選手とのタイム差は13秒だったので約155m差か…。

平均速度は41.58km/h。パワーは331w(4.53w/kg)。

よく頑張ったぞ、私。入賞圏は平均速度が44〜43 km/hと、予想はバッチリだった。予想では…。

 

クリテリウム

定刻通りの12時45分にレースはスタート。

出場選手の中でマークしていたのは、池川選手【VC VELOCE】、エリートのリーダージャージを着用する小林選手【soleil de lest】を要チェックしていました。他にも左迫間選手【チームGINRIN熊本】、小林選手【ミルキーウェイ和歌山】、梅澤選手【愛媛県立松山工業高等学校】なども要注意です。同じスプリンターである所司選手【モジュマ エリアゼロナナゴ】や橋岡選手【KINAN AACA】なども。名前を上げればまだまだいますが、池川、小林の両選手は常に上位に入ってくる実力者です。しかも、元チームメイトでよく知っているので2人に絞ります。

もちろん、マークできたからと言って勝てる訳ではなく。実力は二回り三回り以上あります。頼みの綱のスプリント力だって、彼等も高い次元で持っていますし、後はどれだけ出し抜けるかが勝負の分かれ道となります。

風は前日のタイムトライアルの時とは逆に吹いていて、最も長いホームストレートが強い向かい風の為、逃げは難しそう。

例年のきらら浜でのレースにしては参加人数が多く、風もあるのでペースの上がり下がりが大きくなりそうなので、集団の前方に位置取りした方が楽に走ることはできますが、考える事はみんな同じですね。

集団の前方にあがりやすい場所を見極めて位置をキープします。この辺りは去年あたりから出来る様になってきた気がします。

散発的に逃げ出しがありますが、決まる気配はありません。たまに、集団が全く追う気配が見えない時があるので、前に出て促します。

残り2周回で6人ほどの選手が逃げ出します。チェックを入れようと思ったら、チームメイトの中村選手がこの逃げに乗っていたので集団内で動かずステイします。しかし、この逃げも最終周回の第1コーナーで吸収されます。

最終コーナー手前のストレートで集団のペースが上がります。ホームストレートは向かい風で、最終コーナーを曲がってからゴールラインまで350mあり、コーナーの立ち上がりから踏むと確実に失速するので200m手前からが勝負を仕掛けようと最終コーナーは先頭から10番前後の位置を狙っていました。

中村選手が最終コーナーの前で、集団から飛び出してくれていたおかげで、集団は縦に伸びコーナーを安全にクリアすることができ、前走者を風除けにしつつゴール手前の200mぐらいからスプリントを開始します。

先頭を走るリーダージャージの小林選手までは距離がありますが、失速する事を祈りつつさらにペダルを踏みます。

が、やはりリーダージャージを着用する選手は強く、届かないままゴールとなりました。

勝ち切れない。当たり前だがE1クラスタでの勝利は遠かったです。

小林選手はイエローのリーダージャージと、クリテリウムジャージまでゲット。おめでとうございます。

次戦は大磯クリテリウムに参戦する予定です。苦手なインターバルタイプのクリテリウムですが頑張ります。

中村選手【E1/本社】

<<リザルト>>タイムトライアル=7位、クリテリウム=29位

タイムトライアル

きらら浜のコースは広い駐車場の中を折り返しながら1周する2.3kmのコース。タイムトライアルでは2周4.6kmで行われる。テクニックやコーナーの処理よりも単純に地脚、そしていかに最短でコースを走れるかによる勝負となってきます。

本番一発勝負のタイムトライアルなので試走は時間を目一杯に利用して行いました。

タイムトライアル用バイクで挑んだので自分のコース取りで出来るだけ減速しないようにコーナーをいかにして「直線」に変えられるかを意識したコース取りを確認します。

その他ではアップを兼ねるとともに踏むポイントの確認や心拍を上げすぎない2周回を平均的に踏み続けられるペーシングの確認、入念に路面のギャップを確認し、ギャップにかからず踏み続けられるラインを確認しました。

また、今回は2周回走るため、多くの走者がコース上にいることになり、走者は30秒間隔で走るため、特にスタート付近で周回の異なる走者と交錯する可能性が高く、その場合にできるだけうまくかわしスピードを落とさないようにします。

スタートは乗車から計測開始まで10mの余裕があるため、落ち着いてペダルキャッチをしてスタートします。

加速から第1コーナーは順調で、その後も試走でイメージした通りのライン取りで走ります。入念に試走したので空気抵抗を減らすよう頭を下げて視界が悪くなってもコースは把握できています。

1周目は想定通りのペースで走り、2周目に入っても大きなミスはなくしっかりとスピードに乗り続けます。

2周目の後半、周回の異なる後走者と交錯。

狭いコーナーの入り口だったため、追い抜く際に声を掛けていきますが自分のベストな進入路で走ることができず。

そこから最後の向かい風の長い直線では、思ったよりも踏む力が残っていなくてスピードが40km/h程度までしか伸びません。

最終コーナーを抜け全力で残りの追い風の直線を踏み抜いて6分25秒の7位でゴールしました。

目標としていた入賞にはあと一歩届きませんでしたが、6位の選手とは3秒近くの差があるので「たられば」はなく、例えあの交錯がなかったとしてもこの差は埋められなかっただろうと思います。

運で勝てる要素の少ないタイムトライアルでは一つ一つの歯車の掛け合わせも重要なため、自分の力を高める以外にも気をつけていきます。

ひとまずこの日は宿までは脚を回復させながら自転車で1時間ほどかけて自走で戻り、翌日に備えることにしました。

 

クリテリウム

前日のタイムトライアルと同じコースで行われるクリテリウム。15周回34.5kmで、7周目に周回賞(地元賞)が設けられていました。

目標は逃げて勝ち集団に乗ることと、周回賞の獲得でした。もし、それが無理なら最終周回でチームメイトの佐藤選手が勝てるように走ること。

向かい風も強く脚力差が出るので、集団では常に前に位置取るようにすることを心がけていました。

定刻の12時45分にレースが始まる。

スタート後に数名の選手によるアタックはあるものの向かい風は強く集団のペースも速いため逃げは決まりません。

ただ、こう言う時は数人で抜け出されると集団では向かい風区間で追いたがらず、お見合い状態になりやすいので、小人数での抜け出すタイミングでは必ずチェックして、あわよくば自分もそのまま逃げるようにします。しかし、どれも決定打にはなりません。

結局序盤は決定的な動きができないまま、ペースだけは速い状態で周回をこなします。

7周回目のスプリント周回は高校生とVC福岡エリートの選手が飛び出す中で追走しますが、そのまま2人のスピードが落ちる気配がなかったので、無理せず単独で追うのをやめ集団に戻りを休めることに。

後半戦も序盤と同じような動きを繰り返す中、チャンスは終盤に訪れます。

中西選手【パナソニックレーシング】の抜け出しをきっかけに、左迫間選手【チームGINRIN熊本】らの有力選手数名と一緒に逃げだします。

1周回ほど、小さな差でしたが集団との差を広げ、これで決められるか⁉︎と思いきや、大原選手、池川選手【共にVC VELOCE】らの強力なペースアップにより追いつかれ、最終周回へ。

最終コーナー前の直線で1人が逃げる中、スプリントに備え牽制が起こる集団。

最終コーナーの交錯が怖かったのと、このまま後ろにいても勝ち目のない自分は、前に飛び出して集団を縦に伸ばし横密集を壊す。2番手で最終コーナーを抜けるが自分のではここまでで、スプリントをする選手に次々と抜かれてゴールとなりました。

しかし、その集団から抜け出したチームメイトの佐藤選手がスプリントで2位となり、優勝こそ逃したがチームとしては表彰台に上ることができました。

堀井選手【E2/池田店】

<<リザルト>>タイムトライアル=13位、クリテリウム=14位

タイムトライアル

1周が2.3kmのコースを2周回し、合計24.6kmで競われました。

事前の試走で3周回ほど走りましたが、とにかく風が強くて進まない印象でした。

作戦としてはドロップハンドルの下を持ち低いポジションで、さらに脇絞って肩を小さくして膝の開きもトップチューブに擦れるぐらいのペダリングで頭も低くして前傾で走ることで、少しでも風の抵抗を軽減できるようにしました。

向かい風は軽いギアでしっかり回す、追い風区間は重いギアでゆっくり回しますイメージでパワーの乱高下をさせず、とにかく淡々と踏むことをイメージします。コーナーは比較的イージーなのでブレーキをかけないように曲がり、バイクを傾けずペダルヒットさせないよう回せるならペダルも回すように意識します。

スタート前は風が冷たくて止まると震えてくるので、スタートの時間までコース脇をぐるぐる走って身体を温めました。

審判の「5秒前、3、2、1、スタート!」の掛け声とともに走り出します。まずは、クリートキャッチ優先で丁寧に成功。

序盤にコース上に凸凹がありパンクや減速のリスクがあるので、走行ラインも試走の段階で確認していたので上手く序盤はスピードにのせることができました。第1カーブはペダリングを止めてしまったけどブレーキはかけずに曲がれた。第2カーブもOK。

追い風区間でギア重くしてスピードを上げて第3コーナーに突入します。通過後のストレートは風向きが変わり向かい風になるのでギアチェンジ。軽いギアで必死に回しますが、なかなか進みません。

第4コーナー後は追い風区間のストレート。ギア重くしてしっかり回します。感触では1周目は良かったです。

ただ、2周目の向かい風区間で無理して踏んでしまい、追い風区間でスピードをのせることができませんでした。

最後のホームストレートでチームメイトからの「最後、踏め踏め!」と応援を受けてフルもがきしてゴールとなりました。

 

クリテリウム

コースは前日のタイムトライアルと同じコースを使って10周回で行われました。風向きは前日と逆で、ホームストレートと第2コーナー後が向かい風でした。

E1クラスタのレースが先に行われたので、作戦はE1クラスタの走りを参考にします。やはり、コーナーがイージーなので立ち上がり後に先頭がペース上げて後ろはインターバルがかかって辛そうな印象です。

追い風区間で緩むか、アタック合戦が繰り広げられるかの2択ですが、コーナーがイージーなので集団がすぐ逃げに追いついてしまう感じでした。常に集団内の前から10番ぐらいをキープして走ることができれば楽そうです。

ローリングスタートは2列目で良いポジションだったのに、リアルスタート後は20番手ぐらいまで順位を下げてしまいます。1周目と2周目は集団のペースが速かったので、集団についていくのも大変でしたが、5周目でやっと10番手ぐらいまで上がることができました。何人かアタックを掛けたり、逃げ出す選手がいましたが、予想通りコーナーがイージーなのですぐに集団に吸収されてしまいます。

6周目の序盤でチームGINRIN熊本の選手が逃げ出しましたが、なかなか集団内の動きがなかったので、自分がローテーションのときに無理せずペース上げて追いつきました。

続けて山口県自転車競技連盟・我逢人の選手がカウンターアタックを仕掛けます。想定内だったので逃げに乗ろうとブリッジをかけますが、なかなか追いつかない。幸いなことに後ろの選手達がブリッジしてくれたので助かりました。でも、7周目で温存しようと番手を下げてしまいます。

レース前に作戦として計画していた、残り2周回程でアタックして逃げることが出来なくなる。そんなも残ってない。

しかも、第二コーナー後に風上に寄ってしまい、他の選手の風避けにされてしまう。自分は必死に漕いでいるのに5人ぐらいに楽々と抜かされ、集中力も切れてコーナー後のインターバルで反応が遅れ始めました。

千切れることはありませんが、番手を上げられないまま最終コーナーへ。そこで、すぐ前の3名の選手が落車。慌てずに避けて、そのままゴールとなりました。

次のレースは大磯クリテリウム

MiNERVA-asahiの選手たちが次に参加するレースは、5月15日(日)に神奈川県中郡の大磯ロングビーチ駐車場特設コースで開催される「第1回 JBCF大磯クリテリウム」に参加します。

MiNERVA-asahiは、更なる高みを目指して全力でペダルを漕いでいきますので、引き続き皆様からの応援・ご声援をよろしくお願いいたします。

過去のMiNERVA-asahiのレースレポートはコチラをご覧ください。