自転車乗り方安全ガイド
現在、公共交通機関などに替わる移動手段として自転車が見直され、利用が促進されています。また、自転車は移動手段としてだけではなく、スポーツ、健康、レクリエーションなどにも利用されています。趣味やスポーツとしての楽しみや健康を促進する素晴らしい乗り物である反面、取扱いの間違いや無理な運転をすることで、自動車や自動二輪車と同じく大きな事故につながる恐れもあります。お客様に末永く『安全』『快適』な自転車ライフを送っていただけるよう、自転車における安全な乗り方や、使い方をご紹介いたします。
自転車安全利用五則について学ぼう
自転車を安全に利用するにあたり、被害者にも加害者にもならないために「自転車安全利用五則」を守りましょう。
自転車は、車道が原則、歩道は例外
自転車は歩道を走る?それとも車道を走る?どちらが正解かご存知ですか?実は車道が正解です。道路交通法上では自転車は「車両」と位置付けられています。歩道と車道の区別がある道路では、車道の左端を通行するのが原則になります。しかし、例外として以下の場合は歩道を通行することができます。
・歩道に「自転車通行可」の標識等がある場合。
・運転者が13歳未満もしくは70歳以上、または身体に障害を負っている場合。
・道路工事や連続した駐車車両、著しく自動車の通行量が多いなど安全のためやむを得ない場合。
車道は左側を通行
自転車は車道の左端を通行しなければいけません。右側通行(逆走)は禁止されています。右側通行(逆走)は他の自転車やバイクと衝突する危険性があります。また、すれ違う時に車道の中央に飛び出して自動車と衝突する可能性もあるので大変危険です。絶対にやめておきましょう。あなただけでなく他の運転者も安全に道路を通行するために左側通行を守りましょう。
歩道を走る際は歩行者優先で車道寄りを徐行
自転車で歩道を通行するときは、車道寄りを徐行(すぐに停止することができる速度)しなければいけません。歩行者の通行を妨げる場合は一時停止しましょう。また、ベルを鳴らして歩行者に道を空けさせたり、スピードを出したまま追い越しすることもルール違反になります。歩道では歩行者が優先です。ルール違反の危険な走行は、歩行者に怪我をさせてしまう恐れもあります。十分、歩行者に配慮した運転を心がけましょう。
交通ルールを守る(飲酒運転、二人乗り、並走禁止)
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夜間やトンネル内ではライトを点灯
夜間やトンネル内などの暗い場所を走行するときは、前照灯(フロントライト)および尾灯(テールライトまたは反射器材)を点けなければいけません。暗い中で前の視界を確保するだけでなく、他の車両に対して自分の存在を知らせることで事故を未然に防ぐことができます。
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飲酒運転禁止
自転車も飲酒運転は禁止です。酒気帯びで自転車を運転してはいけません。
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二人乗り禁止
自転車の二人乗りは禁止です。ただし、16歳以上の運転者が6歳未満のお子様を幼児用座席に乗せて運転することは認められています。
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並進禁止
自転車が2台並んで走ってはいけません。ただし、「並進可」の標識がある道路では2台まで並んで走ることができます。
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信号の順守
信号は必ず守りましょう。「歩行者・自転車専用」の信号機がある場合はその信号に従ってください。それ以外は車と同じ信号機に従いましょう。
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安全の確認
「止まれ」の標識がある交差点では、停止線の手前で一時停止しなければいけません。もし、停止線が無い場合は標識や交差点の手前で一時停止をしましょう。
子どもはヘルメットを着用
6歳未満のお子様を同乗した状態で事故にあうと、約4割のお子様が頭部損傷の怪我を負っています。お子様を幼児用座席に乗せて運転するときは、必ずお子様にヘルメットを着用させましょう。また、13歳未満のお子様が自転車を運転するときも、ヘルメット着用は義務化されています。
スポーツ自転車を安全快適に楽しむために
特にスポーツ、健康、レクリエーションなどで利用されるロードレーサー、クロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツ自転車における安全な乗り方や、使い方をご紹介させていただきます。
転倒時だけじゃない、様々な外的要因からもあなたを守るプロテクター
自転車に乗車するときはヘルメットを着用しましょう。特にスポーツ自転車の場合は普通の自転車に比べてスピードも出ます。そんな状況で、もし転倒してしまった時のために大事な頭部を守るヘルメットは欠かせません。また、ココではヘルメット以外にも重要なプロテクターをご紹介します。まずは、グローブ。もし転送してしまった場合、地面に手をつくことが多いので、手のひらを守るためにもグローブは重要です。また、ハンドルからの衝撃を吸収する効果もありますので、長距離サイクリングする場合にも有効です。次にサングラス。最近ではアイウェアとも言いますが、走行時の風や紫外線から目を守るだけでなく、道路脇の木の枝や虫などが見に入ることも防いでくれます。それ以外にも、風や雨から体を守ってくれるジャケット類もスポーツ自転車にとってはプロテクターと言えるでしょう。
周囲に自分の動きを知らせる手信号
車やモーターサイクルの場合、ストップランプやウィンカー(ハザードランプ)が装備されており、“止まる”や“曲がる”と言った行為を後方の車両に事前に知らせることができます。でも、自転車には付いていませんのでハンドサインで後方からくる車両に自分の動きを事前に知らせることにより事故に巻き込まれないようにしましょう。
▶ハンドサインの種類
右折・・・右手を自分の右側に水平にまっすぐ伸ばす。
左折・・・右手を自分の右側に水平に伸ばし、ひじから先だけを上を向くように90度曲げる。
停止・・・右腕をまっすぐに伸ばした状態で、自分の右下斜めに伸ばす。
スポーツ自転車の場合、複数人でサイクリングに出かけることも多いと思います。仲間に自分の行動を知らせるためにもハンドサインが有効となります。
自転車も定期的なメンテナンスが重要
自転車も車などと同じく定期的なメンテナンスが必要です。特にスポーツ自転車は通常の自転車に比べてスピードも出ますし、長距離の移動で乗られる方も多いので、タイヤの空気圧や変速機の調整など定期的なメンテナンスの実施が重要となります。遠くまでサイクリングに出かけ、途中で自転車が故障したら困りますもんね。定期的なメンテナンスを行うことで不意なトラブルを事前に予防することもできます。壊れたり調子が悪くなっていなくても、最寄りの自転車専門店にメンテナンスしてもらうことをお勧めします。
自転車事故について
様々な要因に注意することで事故を減らし自転車を安全にご利用いただくことができます。ここでは当社が調べた特に発生の多い自転車の事故原因をご紹介いたします。ぜひ、あなたの安全で楽しいサイクリングライフの参考にしてください。
第1位「路面状況の見落とし」によるもの「約47%」 ※当社調べ
<主な原因>
・ 石を踏む
・ 縁石にタイヤを取られる
・ 砂利で滑る
・ 泥、雪でバランス崩す
・ マンホールで滑る
・ 線路にタイヤを取られる
定期的な自転車のメンテナンスを行い、安全運転を心がけていたとしても路面の状況により事故につながることもあります。常に路面の状況や道路の状況にも気を配り走行するようにしましょう。特に夜間は路面状況の把握が遅れます。ライトの明かりに頼るだけでなく、昼間よりもスピードを落とすだけで事故にあう確率を下げることが可能です。
第2位「スピードの出しすぎ」によるもの「約33%」 ※当社調べ
<主な原因>
・ コーナリング中のブレーキ操作ミスにより転倒
・ 車を避けようとガードレールに衝突
・ まがった先に2列で走る学生に衝突
・ 追い抜き時に接近しすぎて衝突
・ 曲がった先の停車中の車に衝突
自転車は速く移動するための乗り物ですが、公道では安全な速度で走行するように特に心掛ける必要があります。
第3位「整備不良」によるもの「約10%」 ※当社調べ
<主な原因>
・ 変速調整不備 … チェーンが外れ、バランスを崩して転倒
・ 空気圧不足 …… パンクして転倒
整備不良による事故は、定期的なメンテナンス・乗車前の点検を行うだけで防ぐことができます。空気圧のチェックやブレーキの確認などの乗車前点検と専門店での定期点検を行う必要があります。
第4位「第三者」によるもの「約10%」 ※当社調べ
<主な原因>
・ 自動車に後ろから接近され当て逃げされた
・ 自動車に幅寄せされて転倒した
・ 自動車が急に左折してきて巻き込まれた
自分がルールを守っていても、相手側の不注意で事故が起こる可能性があります。
自転車を安全・快適に楽しむために【まとめ】
楽しく安全に自転車をご利用いただくための重要な安全対策をまとめてみましたので、ぜひご確認ください。
<自分が周囲に対して意識するポイント>
・ 時間にゆとりを持ち焦って走らなくてもよい環境をつくる
・ 交通ルールを守り、自転車の利用マナーを向上させる
・ スピードを抑え、路面状況をよく確認する
・ 譲り合いの心を持つ
<周囲からみた自分を意識するポイント>
・ 相手からは自分が見えていないと考える
・ 無理なすり抜け、追い越しはしない( 相手は自分に気づいていないと考える)
・ 歩行者、自動車から見た自分を客観的に考え走行する
<安全に事故を起こさず走行するために気を付けるポイント>
・ 知らない道や夜間は速度を落とす
・ 判断に迷うときは速度を落とす、停車する
・ 雨の日は乗車を避ける
・ 目立つ服を着る
・ 昼間でもライト点灯(点滅)を心がける
・ 冷静になり譲り合う気持ちを持つ
<スポーツ自転車で特に気を付けるポイント>
・ サイクルコンピューター等に気を取られてしまう
・ MAXスピードを出したくなってしまう
・ 窓に映る自分の姿に見とれてしまう
・ 疲れて集中力がなくなる
関連リンク
万が一の自転車事故に備えて、以下の対策をしましょう。