秋の夕暮れと交通安全
日に日に暗くなる時間が早くなり、季節のうつろいを感じる今日この頃です。皆様はいかがでしょう?もう秋の訪れを感じていらっしゃいますか?
実は日没時間は毎日1~2分早まっています。1週間後には今より約10分日没が早くなるので、もう18時には真っ暗になってしまいそうですね。そして、その早まる夕暮れが私たちの生活に思わぬ影を落とすことがあります。
実は秋から冬にかけての日没の前後、17~19時の時間帯は交通事故が多く「魔の時間帯」などと言われることがあります。もちろん自転車事故も例外ではありません。本記事では、これからの季節気を付けたい交通事故情報とその原因・対策について解説します。
★10秒まとめ読み
日没が早くなるこれからの時期は、例年交通事故が多くなる傾向があります。
ライトの早期点灯など相手に早く気付いてもらえる工夫をして、安全に自転車を走行しましょう!
日没時間帯と交通事故の不思議な関係
次のグラフは令和元年~令和5年の間の都内の自転車事故で、日没前後(16~20時)の時間帯に発生した件数を集計したものです。10月~12月は他の月に比べて、この時間帯の事故の件数が増えていることがわかります*1。(図1)
図1. 日没前後(16~20時)の都内自転車の交通事故発生件数(筆者作成)
不思議なことに同じ暗い時間帯でも20時以降は、同様に事故件数が増加するような傾向はみられませんでした。では、日没前後の時間帯だけ事故が増えるのはなぜなのでしょう。
[要因1]交通量の多さ
時間帯別で事故件数を比較すると、8~10時の時間帯も件数が多くなっています*1。(図2)
図2. 都内自転車の交通事故発生件数 時間帯別集計(筆者作成)
朝は出勤・登校、夕方は帰宅でどちらも道路利用者が増える時間帯です。交通量の多さが、事故が起きやすい要因の一つとなっていそうです。
[要因2]暗さによる見え方の変化
もう一つの要因は人間の目の仕組みにあります。
皆さん、明るい所から暗い所に移動した時、最初は真っ暗で何も見えなくても、時間が経つと徐々に目が慣れてきて見えるようになったというような経験はありませんか。これは「暗順応(あんじゅんのう)」と言われる作用です。この暗順応が完了し、目が暗さに慣れるには一般的に30~60分程かかると言われています。
つまり夕方は歩行者も自転車も自動車も全員一様にしばらくは視界が悪く、お互い相手に気付きにくい状態になってしまいます。これが事故の増えるもう一つの原因です。
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*1 )警視庁, “都内自転車の交通事故発生状況 自転車事故関連データ(月別・時間帯別クロス)”, 2024, https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/bicycle.html(2024/09/16参照)
見える化大作戦:自分の存在感を示そう!
交通事故を防ぐためには、とにかく「相手に気付いてもらう」ことが大切!
基本はライトの早期点灯。ライトには前を照らして道路状況を分かりやすくするという機能だけでなく、他の道路利用者へ自分の存在を知らせる、自分に気付いてもらいやすくするという機能もあります。
その他の対策について、詳しくは下記リンク先の記事をご覧ください。